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マカベア戦争

前166年~前142年、ユダヤ人のセレウコス朝シリアからの自立を目指した戦い。ユダス=マカベウスの指導で自由を獲得し、ハスモン朝が自立。

 前166年~前142年に及ぶ、パレスチナでのユダヤ人が起こしたセレウコス朝シリアの支配に対する戦い。マカベウス戦争、マカバイ戦争とも言う。
 ヘレニズム国家の一つであるセレウコス朝シリアのアンティオコス4世は自ら「現人神」と称してギリシアのゼウス信仰を強要し、イェルサレムのユダヤ教の神殿に対し、ゼウス神殿と呼ばせ、違反者を死刑にすると命じた。

セレウコス朝から独立したユダヤ人国家

 ユダヤ人は豪族のユダス=マカバイオス(ユダ=マカベウス、マカベウスのユダ)に率いられて反セレウコス朝の戦いに立ち上がった。長期にわたる戦争の結果、ユダヤ人は自治が認められ、前142年ユダスの弟シモンを祖とする、ユダヤ教国家ハスモン朝(ハスモン王国)が成立した。ハスモン朝は一時、かつてのヘブライ王国の領土を回復したが、まもなく内紛によって衰え、前1世紀後半にローマの支配下に入ることとなる。 → ローマ時代のパレスチナ

参考 ヘンデルの「マカベウスのユダ」

 ドイツ人であるがイギリスに渡って活躍し、イギリスに帰化したバロック時代の代表的作曲家のヘンデル(Georg Friedrich Händel 1685-1759)の作品の中でも最も良く知られた作品にオラトリオ(演奏会方式の音楽劇)「マカベウスのユダ」がある。これはマカベア戦争でのユダヤ人の英雄ユダス=マカバイオスの戦いを題材としたもので、中でも「見よ、勇者は帰りぬ」(1747年、ロンドンのコヴェント・ガーデンで初演)の旋律は、現在でもスポーツの表彰式などでよく演奏される。 → YouTube 「マカベウスのユダ」から「見よ、勇者は帰りぬ」
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