ビザンツ帝国では、ローマ帝国のコンスタンティヌス大帝が発行したソリドゥス金貨がそのまま流通し、それをノミスマといった。ビザンツ帝国でも長くコンスタンティノープルの貨幣経済の基軸通貨として重要であった。
　なお、帝国内のシリアやエジプトの地では貨幣はデナリウスといわれるようになり、７世紀に登場してシリアとエジプトを奪ったイスラーム帝国はディーナール金貨を発行したが、その名はデナリウスを継承していた。ビザンツ帝国のノミスマは、１０７１年のマンジケルトの戦いでセルジューク朝に敗れてから財政難のために純度が落ち始め、貨幣経済の中心は西ヨーロッパ、イタリアに移っていく。　　→　ローマの貨幣　→　中世ヨーロッパの貨幣経済