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モンテ=カシノ

529年ごろ、ベネディクトゥスが中部イタリアに設立した修道院。厳しい戒律の下で信仰を深め、修道院運動の中心となった。

モンテカシーノ修道院
モンテ=カシーノ修道院
 キリスト教の歴史で重要な位置にある、イタリアの修道院。モンテ=カッシーノとも表記(モンテとはイタリア語で山の意味)する。529年ごろ、ベネディクトゥスがローマの南方の標高500mの山上に修道院を建設した場所。ベネディクトゥスはこの修道院で「祈り、働け」をモットーとし、「清貧・純潔・服従」を理想とする禁欲生活を送り、ベネディクト派といわれる多くの修道士を指導し、539年頃、『ベネディクトゥス戒律』を書いた。
 この修道院は6世紀の修道院運動の震源地となり、後世に大きな影響を与えたが581年頃、ランゴバルド王国のゾトによって破壊されて、720年頃まで再建されなかった。またその後は2回にわたりイスラーム教徒の襲撃を受けて破壊され、荒廃してしまった。

Episode 激戦地となった修道院

 モンテカシーノは中世以来度々戦乱に巻き込まれて荒廃し、17世紀に再建されたが、その建物もナポレオンのイタリア遠征の際に破壊された。さらに第二次世界大戦のさい、イタリアの降伏後、ドイツ軍が立て籠もってイタリア戦線の最大の激戦地となったところで、アメリカ軍による空襲のため修道院の建物は完全に破壊された。戦後になって17世紀の姿で再建された。キリスト教の歴史では最上級の重要度のあるところだが世界遺産に登録されていないのは建物が戦後に再建されたものだからだろうか。
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