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サン=サルバドル島

1492年、コロンブスが到達した西インド諸島の中のバハマ諸島の一島。コロンブス上陸以来、島の原住民インディオはすべて死滅した。

 コロンブス1492年10月12日に到達した新大陸の近辺に点在する小島。現地ではグァナハニ島と言われていたが、コロンブスは「聖なる救世主」という意味の、サン=サルバドル島と名付けた。現在は、バハマ諸島のワトリング島と言われている。この全域は西インド諸島といわれている。

インディアンとコロンブスの邂逅

コロンブスのアメリカ到達
コロンブスを迎えるインディオ
 サン=サルバドル島にはタイノー族という先住民がいた。コロンブスは、この地をインドの一部と信じたので彼等をインディオ(英語でインディアン)と呼んだ。彼等は東方から大きな船に乗ってやって来た、初めて見る白人に対して、贈り物を捧げ、鄭重にもてなした。「これらの人々は非常に従順で、平和的であります」と、コロンブスはスペイン国王と王妃に書き送った。さらに「これらの人々が働き、耕し、必要なすべてのことをやり、われわれのやり方に従う」ようにしむけるべきだと考えた。
 コロンブスは、自分をもてなしてくれた友好的なタイノー族十人を誘拐し、スペインにつれ帰った。その一人はスペインに着いてからじきに死んだが、その前に洗礼を受けてキリスト教徒となった。スペイン人は最初のインディアンを天国に送り込めたといって非常に喜び、この朗報を西インド諸島全体に広めた。
 タイノー族とアラワク族はスペイン人が黄金や珍しい石を求めて土地を物色し始めると、強く抵抗した。スペイン人は略奪し、村を焼き討ちし、多くの男女や子供を誘拐して奴隷として売りとばした。スペイン人は銃とサーベルの力に訴え、1492年12月12日にコロンブスがサン=サルバドル島の岸に足を踏み入れてからわずか10年たらずのうちに、数十万の人びとがほろびてしまった。<ディー・ブラウン/鈴木主税訳『わが魂を聖地に埋めよ』上 1970 草思社 p.10>
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