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明白な天命/マニフェスト=デスティニー

19世紀後半のアメリカで領土の西方への発展を天命と考える見方。

 19世紀アメリカ合衆国の西部へのアメリカの領土拡大とそれに伴う西漸運動を、神から与えられた使命であるとして正当化する考え。マニフェスト=デスティニー Manifest Destiny という。1845年にジョン=オサリヴァンが自ら編集する雑誌『デモクラティック・レビュー』に発表した論文で提唱され、19世紀後半のアメリカ合衆国に広く受け入れられた。
 オサリヴァンは「テキサス共和国」の独立宣言の翌1837年に「ジャクソニアン=デモクラシー」を文学や学問の側面から称揚することを意図し「デモクラティック・レビュー」誌を創刊した。そして1845年に直接的にはテキサス併合の正当性を訴えて「明白な天命」論文を発表し、次のように述べた。
 「自由と自治政府とからなる連邦という偉大な実験を進展させるために、神が与え給うたこの大陸全体を、覆いつくし、所有するのは、われわれの明白な運命(マニフェスト=デスティニー)がさだめる権利なのである。」<『アメリカ外交とは何か -歴史のなかの自画像』西崎文子 2004 岩波新書 p.39-40> 
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