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第7章 諸地域世界の交流

2 海の道の発展

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ア.東アジアの海洋世界 用語リストへ
 ムスリム商人  の活動  8世紀以降
 ▲はじめ バスラ を拠点として ペルシア湾ルート でインドと交易を行った。
 アラブ人・イラン人のイスラーム教徒の商人=A ムスリム商人 の海上貿易活動が活発化。
  → インド洋から中国に至り、a 広州  ・b 泉州  などの居留地を作る。

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ジャンク船

 ジャンク船  

 中国商人  の活動  10世紀以降 宋・元の時代に活発になる。
・宋代の輸出品:a 青磁・白磁の陶磁器を中心として、絹・銅銭など。 
  → b ジャンク船  を使って、東シナ海・南シナ海・インド洋に進出。
  = この交易ルートはc 陶磁の道  と呼ばれる。
 倭寇  ※の活動  14世紀
・元の力が衰えるとともに、中国・朝鮮半島の沿岸部で私貿易が活発になる。
 ※北九州を中心とした日本人の海賊 14世紀中心をa 前期倭寇  という。
・1368年 明の建国 明はb 海禁政策  を採り倭寇の活動を抑える。
  →  日明貿易 が室町幕府との▲c 勘合貿易  の形式で始まる。
D 明代の東アジア  15~16世紀
・a 鄭和の航海   15世紀初め 明の永楽帝がインド洋、アフリカに派遣。(後出)
 → b 朝貢貿易  を促す。 → その後は海禁政策を強化したため明の海外進出は終わる。
・c 琉球王国  の繁栄 15世紀 明への朝貢貿易と周辺(日本など)との中継貿易で繁栄。
・16世紀 明と室町幕府の衰退 → 倭寇の活動が再び活発になり、中国人が主体となる。
  = 16世紀中心の倭寇をd 後期倭寇  という。 
・17世紀初め、日本の江戸幕府は 朱印船貿易 によって貿易利益の独占をはかる。
 → 1639年、鎖国政策に転換。
E ポルトガル・オランダの進出  16~17世紀 (後述)
  → マカオ、バタヴィアなどの拠点を建設。
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イ.東西世界を結ぶムスリム商人 用語リストへ
A 東南アジア
・13世紀以降 アラブ人の商人(ムスリム商人)の活動、a 神秘主義 教団の活動によって、
 インド、東南アジアのイスラーム化が進む。 
・14世紀末 マレー半島南西部にb マラッカ王国 が成立。
  → c マジャパヒト王国 の商業活動を抑え、南シナ海との中継貿易に進出。
 次いでd マタラム王国 (ジャワ島)・e アチェ王国 (スマトラ島北部)が
    いずれもイスラーム国家として香辛料貿易で栄える。

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B 西アジア
ダウ船

 ダウ船  

・969年ファーティマ朝が都a カイロ を建設、バグダードに代わり繁栄。
  → インド洋と地中海を結ぶ交易活動の中心となる。
・b ムスリム商人 がインド商人と提携して活動。
 交易品 インド・東南アジア産のc 香辛料 ・d 香料 ・木材、
     中国産のe 絹織物 ・f 陶磁器 等を買いいれる。
  → g ダウ船 ※を操る。
紅海ルートアデンを経由し紅海沿岸を北上、陸揚げしナイル川を利用して
  a カイロ やアレクサンドリアに運び、地中海へ。
 ※ムスリム商人が使用した三角帆の木造船。(右図)
・a カイロ を中心とするイスラーム商人をh カーリミー商人 という。
 → 貿易の利益をモスクや学院の建設費に充てイスラーム文化の保護に努めた。
   アイユーブ朝、マムルーク朝でもイスラーム世界の中心となる。
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ウ.地中海世界の交流 用語リストへ
・12~13世紀 十字軍時代に、地中海の交易が盛んになる。
 イタリア商人  :ヴェネツィア・ジェノヴァ・ピサなどの商人が活躍。
   十字軍の武器、食糧の輸送 → ムスリム商人から香辛料その他を買い付け
  → アレクサンドリアに商館を建設、アイユーブ朝・マムルーク朝に鉄・木材を供給。
  b ムスリム商人  :カイロを拠点に、シリア・北アフリカ・イベリア半島に
  代理人を派遣。 取扱う商品= 香辛料、 砂糖 、紙、穀物など。
・イスラーム文明と中国文明の西方への影響
・イスラームの医学・哲学・数学・科学などがc アラビア語  の文献がd ラテン語  に
   翻訳される(イベリア半島カスティリャ王国のトレドに翻訳学校がつくられる)。
    → ヨーロッパ近代科学の誕生をもたらす。

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・中国に始まるe 製紙法  ・f 羅針盤  ・g 火薬  などの技術がヨーロッパに伝播。
 中国商人 → ムスリム商人 → シチリア島・イベリア半島 → ヨーロッパへ
   → 14世紀イタリアで始まるルネサンスに刺激を与える。
・農業技術の伝播:イスラーム世界起源のh サトウキビ・綿花・オレンジ・ブドウ などの
   潅漑農業技術を伴う農業がイベリア半島を経由してヨーロッパに広がる。
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エ.世界の一体化と銀 用語リストへ
・銀の世界的流通
15世紀末 大航海時代 → 新航路の発見・ヨーロッパ人の新大陸、アジアへの進出 
16世紀 諸大陸を結び海上交易の発展 → 遠隔地商業の発展 =a 銀  の増産
 → スペインによるラテンアメリカの銀山の開発  例・b トポシ銀山  
・c スペイン銀貨   :スペインがアメリカ大陸で鋳造した銀貨。
 → ヨーロッパおよびアジアにもたらされ、国際的通貨の役割をはたす。
16世紀後半~17世紀初め d 日本銀  の産出 例・石見銀山 
 → 丁銀などの銀塊の形で輸出され、アジア交易で重要な役割を果たす。 
・銀によって交易されたアジアの特産品
 東南アジア:e コショウ・香料   中国:f 生糸  ・▲g 茶 
 インド:h 綿布  
・東アジアでの交易
  i 後期倭寇  (日本人・中国人による密貿易集団)とポルトガル・オランダ商人が活動
 → 明の海禁政策は崩れれる。(後出)
・国際商業の発展の影響
ヨーロッパの新式火器(火縄銃・大砲)がアジア各地に広まる。→ 新興政権の成立
アメリカ大陸原産の作物が世界に広がる。 → ヨーロッパの生活を大きく変える。
 例:a トウモロコシ・サツマイモ・ジャガイモ・トマト・トウガラシなど (後出)
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この節の小見出し
ア.東アジアの海洋世界
イ.東西世界を結ぶムスリム商人
ウ.地中海世界の交流
エ.世界の一体化と銀

目 次

序章 先史の世界

1章 オリエントと地中海世界

2章 アジア・アメリカの文明

3章 東アジア世界

4章 内陸アジア世界

5章 イスラーム世界

6章 ヨーロッパ世界の形成

7章 諸地域世界の交流

8章 アジア諸地域の繁栄

9章 近代ヨーロッパの成立

10章 ヨーロッパ主権国家体制

11章 欧米近代社会の形成

12章 欧米国民国家の形成

13章 アジア諸地域の動揺

14章 帝国主義と民族運動

15章 二つの世界大戦

16章 冷戦と第三世界の自立

17章 現代の世界