印刷 | 通常画面に戻る |

竜山文化

中国の新石器時代後期にあたる文化。殷の青銅器文明に先立つ。

 紀元前3000~2000年の、中国(黄河流域)の新石器時代の後期に属する代表的遺跡である竜山鎮の城子崖遺跡から竜山(ロンシャン)文化と名付けられた。1930~31年、中国人科学者の手によって発掘された最初の遺跡である。
 特徴は、ロクロを使って形を仕上げ、還元焰焼成をおこなって黒色のつやのある薄手の土器である「黒陶」なので、黒陶文化ともいう。黄河中流域から下流域、山東半島、長江下流域にも拡大し、この時期に農業生産技術も進んだ。

新石器文化の広がりと青銅器文明への移行

 竜山文化は、黄河中流域から、黄河下流域、さらに長江の中下流域にまで及んでいる。最近の研究では、前4000年頃から竜山文化の時期にかけて、中国には①山東半島、②黄河中流域、③黄河上流域、④長江下流域(良渚文化)、⑤長江中流域(石家河文化)の五つの文化圏が生まれ、それらの文化の交流が行われていた、と考えられている。前1800年代後半になると、黄河中流域の河南地方の竜山文化のなかから、独自の陶器の組合せと青銅器をもつ二里頭文化が生まれ、次の殷・周時代の青銅器文明段階へと移行していく。  
印 刷
印刷画面へ