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戦国策

中国の前漢の劉向の書。遊説の士の権謀術数を記述。この書名から戦国時代と言われる。

 前漢の終わり、ほぼキリスト紀元元年の頃、劉向(りゅうきょう)と言う学者が命を受けて天子の書庫に入り、錯乱していた書籍の整理・校訂にあたった。書籍は竹簡・木簡に書かれていたが、それは竹簡に書いておけば削って修正できるからであり、校訂が済んでから白絹に浄書した。校訂作業は一部ずつその書物の目次を定め、解題を巻首に付けて天子に奏上するという方法で進められ、20年も続け、劉向は年代順に整理して『戦国策』三十三編とした。この書名から、「戦国時代」という時代名が生まれた。ただし、戦国策は歴史書と言うよりも、戦国時代の遊説の士が献策した権謀術数を記述したもので、読み物として面白い。蘇秦・張儀らの縦横家の議論や戦国の人々の知恵を知ることができる。「遠交近攻」論や「先ず隗より始めよ」などの故事は『戦国策』が出典である。<近藤光男『戦国策』講談社学術文庫版 解説>
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近藤光男
『戦国策』
講談社学術文庫