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客商

中国の商人の分業が進むなかで生まれた、生産地から消費地に商品を運び、一ヵ所に定住しない商業形態をとる商人をいう。それに対して一ヵ所に留まって店舗を持つ商人は坐賈(ざこ)という。古くからあるが宋代にさかんになり、明代には山西商人や新安商人など、地域的商人組織が生まれた。

 中国で古くからある商人の類型の一つで、一ヵ所に店舗を持たず、各地を移動しながら商品を生産地から消費地(都市)に運ぶことに専業した商人を客商といった。そのような商人を、外地から訪れて交易に従事する商人の意味で「客商」といった。
 客商に対して一ヵ所に留まって店舗を経営する商人を「坐賈(ざこ)」といった。坐賈の賈とは「あきなう」の意味。坐賈は客商から商品を受け取り、小売りをする。生産者から商品を買い取って客商に売り渡す仲買人のような役割を担った商人を「牙人」といい、その組合を牙行といった。このような商業活動の分業化、類型化は宋代の商工業の発達を背景に、12・13世紀に進み、元を経てになると顕著になった。

商人の地域集団

 客商のなかには、次第に資本を蓄え、地域的にまとまった商人組織を作り、全国にネットワークを築いて、利益を守ろうとする動きが明代になって強くなった。そのような商人組織に山西商人新安商人(徽州商人)があった。彼らは、移動先の都市での活動拠点として会館・公所を建設した。彼らの活動は、清代まで続く。

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