「小説」というのは中国の文学のジャンルの一つで、唐代に始まる文語でかかれた「短編の話」であり、主に伝奇的(不思議な話)内容であった。これにたいして宋の時代から口語で書かれた小説が生まれ、英雄豪傑の話が取り上げられて庶民に喜ばれるようになった。「小説」が著しく発展したのが
明の時代であり、その代表作がまず『水滸伝』であり、『三国志演義』であった。明から清にかけて『西遊記』と『紅楼夢』ができて
四大奇書と言われる長編口語小説が生まれた。いずれも面白さを第一とした通俗的な内容であるが、広く中国の民衆に受け入れられた。このように中国の小説は西欧的、近代的な文学としての小説とは意味が異なる。 →
明の文化