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最高存在の祭典

1794年、ロベスピエールが主催して挙行したフランス革命を祝う市民祭典。不評となりロベスピエール失脚の契機となった。

 フランス革命の末期、ジャコバン派独裁を主導したロベスピエールが構想し、画家ダヴィドがその演出にあたって、1794年6月8日に挙行された、革命の理念を「最高存在」として神格化し国民で祝賀する祭典。

ロベスピエールが主導

 それより前、左派のエベールらが進めた「理性の崇拝」を、無神論であるとして否定したロベスピエールは、革命の共和政と自由の理念を「最高存在」、つまり神として崇拝し、祭典を挙行することを国民公会に提案し、採択された。祭典はパリを中心に全国で実施された。ダヴィドの演出は古代ギリシアの祭典を模範としたものであったが、シンボルの多用、音楽、マスゲームなど、大衆動員による集団芸術の先駆といえるものであった。
 この祭典を強行したことでロベスピエールの独裁に対する反発が強まり、50日後のテルミドールのクーデタでの失脚となる。
(引用)6月8日、最高存在の祭典は行われた。朝8時、パリのセクションはチュイルリにむかうように要請されていた。儀式は、画家でロベスピエールの心酔者ダヴィッドによって演出された。クライマックスでは、ロベスピエールが「心理の松明」を手に、「無神論」や「エゴイズム」などの偶像を燃やす。するとそのあとに「知恵」の女神があらわれる。ついで会場はシャン・ド・マルスに移される。セクションがアルファベット順に並んで進み、8頭の牛が曳く自由の凱旋車がつづく。広場の中心には「自由の木」のたつ人工の丘、その脇にはギリシア風寺院と、人民を象徴するヘラクレス像をいただく円柱。国民公会議員と市民とが讃歌をうたい、共和国への忠誠を誓う。<五十嵐武史・福井憲彦編『世界の歴史』新版21 p.340 中央公論新社>
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書籍案内

五十嵐武士/福井憲彦
『アメリカとフランスの革命』
2008 中公文庫