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磨製石器

石器の製造技術で打製石器の後に現れ、土器とともに農耕の段階に達した新石器時代の指標となる。

 金属器に先立って人類が作りだし、用いていた石器で、長期にわたっている打製石器に対し、砥石を用いて研磨し、表面を滑らかに造形する技術を用いて製造した石器を磨製石器という。より高度な石器製造技術であり、土器の出現と共に、石器時代が旧石器時代から、新石器時代に変化した指標(メルクマール)とされている。 → 新石器革命

新石器時代の指標

 磨製石器には石斧・石鎌・石剣・石棒など様々な形態があり、生産用具としての他、武器や祭祀用具としても用いられた。特に、石皿・石臼などのような穀物の生産・加工のための用具でもあり、磨製石器の出現が農耕社会への移行を示していると考えられている。およそ1万年前の温暖化という気象の変化に伴う自然環境の変化に適応した人類が、9000年前ぐらいから農耕・牧畜の時代、つまり新石器時代に移行したことが磨製石器、土器の出現の意味である。
 新石器時代に続き、金属器(青銅器、鉄器)が使われるようになり、文明の段階となる。
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