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ブハーリー

9世紀、中央アジアのブハラで生まれたイスラーム教の法学者で、ハディースをまとめた。

ブハーリー廟
サマルカンド郊外のブハーリー廟
ブハーリー(アル=ブハーリー 810-870)はイスラーム教スンナ派の神学者で、中央アジアのブハラ出身。スンナ派が『クルアーン(コーラン)』に次いで重視する、教祖ムハンマドのさまざまな言行のうち真正なものを選んだハディースを編纂した。ブハラで曾祖父の代からのムスリムに生まれ、16歳でメッカに巡礼し、さらに各地を遍歴して60とも90万ともいわれるハディースを収集した。
 彼はムハンマドやその弟子達が生きていた時代の人から聞いて「真正のもの」のみを厳選し、97巻3450章にまとめた。それが現在の『ハディース』の6種類のうちの『真正伝承集』と言われるものである。<濱田正美『中央アジアのイスラーム』2008 世界史リブレット70 p.12 などによる>

世界遺産 ブハラのブハーリー廟

 ブハーリーはブハラの王から、王子の教育を頼まれたが、自分の研究は王のためではないと言って断り、サマルカンドに亡命した。サマルカンドで780年に没したので、その墓廟は現在サマルカンドにあり、イマーム=アル=ブハーリー廟として近年整備され、多くの参拝者が集まっている。
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書籍案内

濱田正美
『中央アジアのイスラーム』
世界史リブレット70
2008 山川出版社