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絹馬貿易/茶馬貿易

中央アジアの遊牧民が農耕民である漢民族との間で行った馬と絹を交換する交易。絹の他に、綿・茶が馬との交換に充てられた。

 けんばぼうえき。農耕民の漢人側が綿茶(中国)など、遊牧民の匈奴側が馬・羊などとをそれぞれ交換する交易のことで、漢代以降中国辺境に市が立てられた。両者を仲介したのが中央アジアで広く活動していたソグド商人であった。
茶馬貿易 同時に行われた遊牧民の馬と、漢民族のの交易という面では、茶馬貿易とも言う。宋代には喫茶の習慣が中国で広がったので、茶の生産も多くなり、北方遊牧民との交易の重要品目となった。そこで宋朝では茶馬の交易を管理する茶馬司が置かれた。
 絹馬貿易・茶馬貿易は、匈奴などの遊牧民と、中国の農耕民である漢民族は、平時においては経済的に協力しあう関係にあったことを示している。多くの場合、中国側の史料に、遊牧民側の朝貢として記録されているが、馬は遊牧地域の特産であり、絹や茶は農耕民の特産であるということで互いに自給できないものを補い合うという経済関係が成立していた。
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