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ナポレオン法典/フランス民法典

ナポレオンが制定し1804年に公布されたフランスの民法典。フランス革命の理念を法的に確定させたと言われている。

 第一統領ナポレオンのもとに、四名の起草委員会を設け、彼自身も参加して審議された。彼は古代の東ローマ皇帝ユスティニアヌスの『ローマ法大全』を貧乏少尉のころ読破しており、その章句を引用して委員を驚かしたという。1800年8月から審議、1803年から1章ずつ議決し、1804年3月に36章の公布を終了した。初め「民法典」といわれ、後1852年に「ナポレオン法典」となった。

ナポレオン法典の内容と意義

 所有権を中心とする封建的秩序に対するブルジョアジーの勝利を確定させたところにその意義がある。土地の質権、抵当権を承認、均等分割相続を規定している一方、家族を尊重、家長の位置を高めている。その他、法の前の平等、国家の世俗性、信仰の自由、労働の自由など、革命の遺産を固定させる内容を含んでいた。この理念はナポレオンの征服戦争と共に、ヨーロッパに拡大される。<井上幸治『ナポレオン』 岩波新書 P.96>
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