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エウセビオス

4世紀、ローマ帝国末期のキリスト教史家。神寵帝理念を説く。

 325年、最初のキリスト教史として『教会史』を著した司教。その著作は正統なキリスト教の神学の確立に寄与したとされ、教父の一人とされている。ニケーア宗教会議ではコンスタンティヌス帝に陪席し、その決議文を起草し、公認後のキリスト教の体系化の中心となった。彼はパレスチナのカイサリアで司教として活動し、迫害が終わりキリスト教が公認されたことを「神のみわざの証明」とし、信仰が正しかったことを確信して、イエスの出現から教会公認までのキリスト教の歴史を『教会史』としてまとめた。公認に踏み切ったコンスタンティヌス帝を讃え、『年代記』を著し、皇帝の位は「神の恩寵」であるとする「神寵帝理念」を示して国家教会主義への端緒を開いた。皇帝の専制政治を支える役割をはたしたといえる。
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