印刷 | 通常画面に戻る |

工場法

19世紀イギリスで制定された一連の労働者保護のための一連の立法。1802年に始まり、オーエンらの努力により1819年の改定を経て、1833年の「一般工場法」で①おの達成を見た。

 イギリスの産業革命の進展に伴う労働問題が深刻化する中、ようやく労働者保護立法が行われるようになった。その最初(と言うことは世界最初)が1802年の工場法(徒弟法)であるが、その内容は主に児童の保護を目的としていたが不十分なものだった。
 1819年にオーウェンの努力で紡績工場法(木綿工場法)ができ、9歳以下の児童の労働の禁止と16歳以下の少年工の労働時間を12時間に制限された。しかし、労働者の保護を監督する監督官制度が無かったために実効力はなかった。


一般工場法

 イギリスでの労働者の保護立法は、1802年の工場法以後、たびたび制定されたが、それらは特定の業種に限られていたり、規定はあってもそれを監視する機関についての規定がなく、折角の保護法も守られない実態が続いていた。そのような状況の中で、労働者の要求も高まり、またシャフツベリーなど工場主の立場からも普遍的、実効的な労働者保護立法の必要を主張する人々の運動もあって、ホイッグ党グレイ内閣の1833年に、一般的な(どのような工場にも当てはまる)工場法の制定が実現した。これは、選挙法改正(第1回)(1832年)、奴隷制度廃止などの自由主義的改革の一環であった。
 1833年の「一般工場法」では、12時間労働、9歳未満の労働禁止、13歳未満の児童労働は週48時間、一日最高9時間労働、18歳未満の夜業禁止、工場監督官・工場医の設置などが定められた。
印 刷
印刷画面へ