印刷 | 通常画面に戻る |

ギゾー

七月王政期のフランスの首相。労働者の普通選挙要求運動を弾圧し、1848年の二月革命をまねいた。

 七月王政の国王ルイ=フィリップのもとで内閣を組織した。七月王政で文部大臣となり学制の改革に当たり、1840年からは首相として国政に当たった。ギゾー内閣は、ウィーン体制下、各国で強まってきた自由主義に対して、保守主義の立場から厳しく反対し、パリなどの都市で活発化した市民や労働者の普通選挙(財産による選挙権の制限の撤廃)を求める選挙法改正運動を弾圧した。改革派はギゾー内閣の集会禁止に対抗して、各地で改革宴会を開催し、気勢を上げた。1848年2月、パリ市民と労働者のデモ行進に正規軍が発砲したことから一気に反政府運動が盛り上がると、国王ルイ=フィリップはギゾーを罷免し、事態の沈静化を図ったが、織りからの経済不況もあって民衆は王宮に乱入し、七月王政は崩壊した。ギゾーはイギリスに亡命、その後は文筆に専念した。

Episode 選挙権がほしければ金持ちになりたまえ!

 ギゾーは選挙権がほしければ「金持ちになりたまえ!」と言ってのけて反発を受けたことで有名。その一方、ギゾーは歴史家としても著名で、『ヨーロッパ文明史』などの著作がある。
印 刷
印刷画面へ
書籍案内

ギゾー/安土正夫訳
『フランス文明史』
原書1828 
2006 みすず書房