印刷 | 通常画面に戻る |

ジャガイモ飢饉

1840年代後半にアイルランドで起こった飢饉。多くの人がアメリカに移住した。

 1845年にアイルランドで起こった ジャガイモの不作による大飢饉。アイルランドはそのために貧困化が進み、多くの人がアメリカなどに移民として移住したために急激な人口減少が起こった。また、当時イギリスに併合されていたアイルランドでのイギリスからの分離独立運動が激しくなり、青年アイルランド党の蜂起などが起こったが、運動は鎮圧された。 → 19世紀のアイルランド問題
(引用)1845年の夏、アイルランドは長雨と冷害に祟られ、それだけならまだしも、この年の8月、イングランド南部に奇妙な病害が発生した。それは三年前に北アメリカの東岸一帯を荒らしたウィルスによる立ち枯れ病の一種であった。しかもヨーロッパにはなかったこのジャガイモに取りつく菌は、9月に・・・アイルランドに上陸するや、またたく間に全土に拡がり、その被害は三年間にも及んだのであった。<波多野裕造『物語アイルランドの歴史』1994 中公新書 p.167>
 アイルランドのジャガイモ飢饉は、ヴィクトリア女王即位直後のイギリス本土にも影響を与え、穀物法とともに穀物価格の高騰の要因となって労働者の生活を直撃した。そのころ労働者が行っていた普通選挙を要求するチャーティスト運動が盛り上がる背景ともなった。

アイルランドの人口減少

 このジャガイモ飢饉はアイルランドに100万人以上の餓死者を出し、人々は生き延びるために先を争ってアメリカ、カナダ、オーストラリアなどに移民として移住していった。アイルランドの人口停滞は続き、1990年現在でアイルランドの人口は350万にすぎず、一方、アメリカには4300万、全世界では7千万のアイルランド系の人が住んでいるといわれる。<同上 p.169>
印 刷
印刷画面へ
書籍案内

波多野裕造
『物語アイルランドの歴史』
1994 中公新書