世界恐慌以降の危機的状況の中で現れた二つの対応、ひとつは独裁政権による強権的政治による危機打開の道にたいするもう一つの道がポピュリズムである。ポピュリズムとは「社会主義と民族主義を旗印にして国民大衆を体制の中に取り込みむ上からの大衆動員型政治」と言うことが出来る。20世紀の
ラテンアメリカでは前者の独裁政権としてはキューバのバティスタ政権などがあり、後者のポピュリズムの例としてはメキシコの
カルデナス政権、ブラジルのヴァルガス政権、
アルゼンチンの
ペロン政権が典型的なものである。
<国本伊代『概説ラテンアメリカ史』改訂新版 2001 新評論 p.209>