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現代大衆文化

1920年代にアメリカの大量消費時代の民衆文化の展開。現代大衆文化の成立した時期とすることもできる。

 アメリカ合衆国の戦間期の時代、特に1920年代は、大量生産・大量消費の経済が繁栄し、それを背景とした文化の大衆化が著しく進展した。
 映画は1913年からハリウッドで制作されるようになり、20年代にはルドルフ=ヴァレンチノやチャーリー=チャップリンが人気を博した。蓄音機とレコードは1917年から大衆化し一般家庭に普及した。1920年にラジオ放送が始まり、映画・レコード・ラジオという新しいメディアが20年代に急速に普及した。音楽ではニューオリンズにはじまった黒人音楽ジャズが、シカゴ・カンサスシティ・ニューヨークなどで都会的に洗練され、ルイ・アームストロングやデューク・エリントンなどのスターが出現し、白人の作曲家ジョージ=ガーシュインは1924年にジャズを取り入れた「ラプソディ・イン・ブルー」を作曲した。
 フォードに代表される自動車、さらに電話、そして家庭用電気製品の・洗濯機・掃除機・ミシンなどが中流以上の家庭で一般化し、「大量消費社会」が出現し、広告業が新たな業種として成立した。

ジャズエイジ 1920年代

 このような1920年代は、「狂乱の20年代」「ジャズ・エイジ」「ローリング・トゥエンティー」などと言われた。その間の出来事をひろってみると……<常盤新平『アメリカン・ジャズ・エイジ』より>
1927年
5月 リンドバークが単身飛行機で大西洋横断に成功。”翼よあれがパリの灯だ”という一言で有名。
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6月 サッコ・ヴァンゼッティ事件 イタリア移民のアナキストの二人が強盗殺人犯として逮捕され、死刑となる。無実だった二人が犯人にされたのには、移民への偏見があったとして問題となった。
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9月 ボクシング・ヘビー級タイトルマッチ、タニー対デンプシー。タニーが逆転ノックアウト勝利。ラジオで中継され、10人が心臓麻痺で死ぬ。
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10月 ニューヨーク・ヤンキースのベーブ=ルースが60本のホームラン。ヤンキース勝率7割で優勝。
1929年
2月 シカゴで聖バレンタインデーの虐殺。カポネの手下が警官に扮装し、対抗する一味7名をマシンガンで殺害する。カポネはイタリア系の移民で、裏社会のマフィアの大物。禁酒法の陰で酒の密売で利益を上げていた。
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書籍案内

常磐新平
『アメリカンジャズエイジ』
1981 集英社文庫