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マリ

サハラ南部のアフリカの国家。1960年、フランスから独立。

 西アフリカの内陸国だが、ニジェール川の流域、サハラ砂漠の南部に広がる。生産力が豊かで、古代には9~12世紀にはガーナ王国、16世紀にはマリ王国ソンガイ王国があったところで、トンブクトゥは交易都市として繁栄した。
 19世紀半ばからフランスの植民地支配を受ける。1960年のアフリカの年に独立、当初、西隣のセネガルとマリ連邦を結成したが、同年中に分離した。独立後は長期間、軍事独裁政権が続いた。

フランスの軍事介入

 2000年代に、イスラーム原理主義の運動がアフリカにも波及、マリでも北部にイスラーム武装勢力が出現し、実効支配するようになった。フランスは旧植民地のマリが、パリなどで起こったイスラーム過激派のテロ事件の基地となっているとして、2013年からマリに本格的な軍事介入を開始した。その活動範囲はマリだけでなく、東側のニジェール、チャド、南のブルキナファソ、東のモーリタニアにおよび、「サヘル地域テロ掃討作戦」(通称バルカン作戦)を展開した。フランス軍は砂漠に軍事基地を設け、アラブ系過激派の拠点を空爆、あるいはドローンを用いて抑えようとしたが、掃討は困難だった。2015年にはマリとニジェールの国境地帯で「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う「大サハラのイスラム国」が台頭、武装勢力が村を襲うなど、治安回復は困難な状態多続いている。
 フランス軍の犠牲も多くなってきたことから、フランスのマクロン大統領は、2021年6月、マリを含むサヘル地域での軍事介入を縮小、泥沼化をさけると表明した。フランスの世論調査ではマリ作戦支持が13年には73%あったものが、21年1月には不支持が51%で支持を上まわったことが背景にある。<朝日新聞 2021/6/12 記事より>

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