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京都議定書

1997年、第3回気候変動枠組条約国会議。国別の温室効果ガス削減目標を定めた。2008~12年間に5.2%削減の目標を立てたが、アメリカの離脱などによって達成できなかった。

 1997年12月、京都で開催された第3回締約国会議(COP3、1992年の国連環境開発会議で締結された気候変動枠組条約にもとづいて開催される会議。160ヵ国とNGOなどが参加。)で成立した、地球温暖化防止のための国際的合意文書。地球温暖化の原因である温室効果ガスの具体的な削減目標を国別に定めたところに意義がある。
  • 国別削減目標は、日本は6% 、アメリカは7%、EUは8%、先進国全体で5.2%削減。(1990年に対して。2008年~2012年の間に削減を実施することとされた。)開発途上国(中国、インドを含む)は削減の義務はないとされた。
  • どのようにして全世界的な削減目標を実現するか、その具体的方法は「京都メカニズム」といわれ、次の方法が取り入れられた。 
    1. 排出量取引:先進国が割り当てられた排出量の一部を取引できる仕組み。
    2. 共同実施:先進国同士が共同で削減プロジェクトを実施した場合、そこで得られた削減量を参加国で分け合う仕組み。
    3. クリーン開発メカニズム:先進国が途上国の削減プロジェクトを資金援助し得られた削減量を自国の削減量にカウントできる仕組み。

アメリカの離脱

 2001年3月28日、アメリカ合衆国(ブッシュ大統領)が京都議定書離脱を表明した。離脱した理由は、温室効果ガスの削減はアメリカ経済の成長を阻害すること、途上国の削減目標が決められておらず、不公平であること、などであった。これはこの時期に強まってきた、アメリカの単独行動主義(ユニラテラリズム)の傾向の現れたものであった。
 他にオーストラリアも京都議定書を離脱し、その実効性に大きな不安が生じたが、2005年、ロシアが批准し発効要件である批准国55ヵ国に達したので、京都議定書は発効した。2008年~2012年が具体的実行期間とされていたが、目標達成は困難であったため、「ポスト京都」の動きが始まった。

ポスト京都議定書の模索

 京都議定書の第一約束期間である2008年~2012年を迎えるにあたり、2012年以降の、気候変動枠組条約の「新たなる目標」となる世界の温室効果ガス削減の枠組みの議論が続いた。これは、最大の排出国であったアメリカが離脱、インドや中国などの新興国が大量排出国となっているにもかかわらず規制対象外であること、などの他にカナダの削減目標達成の断念など目標達成が困難と思われる問題が多発したためであった。そのため、京都議定書の枠組みを超えた、新たな協定の必要も含めて、主要国首脳会議などでも話し合いが続けられた。
 2009年にはデンマークのコペンハーゲンで気候変動枠組条約第15回締約国会議が開催されたが京都議定書に代わる新たな議定書締結に向けて話し合いが行われたが、結論を得られなかった。2010年のメキシコのカンクンでの会議で合意されたカンクン合意では、途上国も削減目標を定めることと同時に途上国への支援でも合意した。

パリ協定

2015年、京都議定書に代わる新たな地球温暖化防止対策の国際的枠組みとして合意された。21世紀後半に温室効果ガス排出量の実質ゼロを目標としている。

 地球温暖化防止のための温室効果ガス排出量削減に関する京都議定書の掲げた目標は、締結国の間では概ね達成されたが、アメリカが離脱し、インド・中国に代表される「新興国」に削減義務を課さなかったために、地球全体としては大幅に増加してしまう、という結果になった。この間、異常気象などが各地で目立つようになり、予測を上まわる速度で温暖化が進んでいることへの懸念が強まった。
 ようやく2015年12月にパリで開催された第21回気候変動枠組条約締結国会議(COP21)で、2020年に期限を迎える京都議定書の取り決めに代わる新たな「パリ協定」が成立、アメリカ・中国、EUが批准して2016年11月に発効した。
 新たな枠組みであるパリ協定では、21世紀後半に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目標とし、すべての条約加盟国は削減目標を5年ごとに更新することとなった。先進国と途上国の間にはまだ意見の隔たりが大きいが、これによって条約締結国197ヵ国すべてが参加する機構枠組みの取り組みが初めて発足した。
アメリカの離脱と復帰 ところが、2019年11月にはアメリカの共和党トランプ大統領がパリ協定からの離脱を表明、再び大国間の足並みが乱れ始める懸念が生じたが、2021年1月に民主党バイデン大統領に交代、バイデン政権は直ちにパリ協定への復帰を表明、人類的課題に対する国際社会の一致した取り組みを進めることとなった。
 
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