三星堆
中国の四川地方で、独自の発達を遂げた青銅器文明の遺跡。現在は殷の文化圏に属していたと考えられている。

三星堆遺跡出土の青銅製仮面
最近の研究から
長江上流の成都平原で発見された三星堆文化は、その特異な青銅器の器形や表現から、その独自性が強調されていたが、最近ではまったく独特なものではなく、殷(商)の青銅器文化の一変形と考えられるようになった。それは、研究が進んだ結果、青銅器の製法としては殷と同じく外范分割法を用いており、素材の青銅の鉛同位体比の分析によって殷王朝の青銅器と同一の鉱山の原料が使われていたことが判明したからである。<竹内康浩『中国王朝の起源を探る』世界史リブレット95 山川出版社 2010 p.65>