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パーマーストン

19世紀中ごろ、イギリスの自由貿易主義の理念に立った外交を推進。

 パーマーストンは1831年~65年の間、約10年を除き、外相あるいは首相として、イギリスの外交を推進した政治家(はじめトーリ党、後にホイッグに移る)。この間のヴィクトリア朝前半のイギリス外交を「パーマーストン外交」という。その基本は、自由貿易主義の理論に立ち、イギリス資本主義の世界市場の拡張にあたり、ヨーロッパ列強とは勢力均衡を図りながら、東欧やアジアの専制国家に対しては開国と自由貿易を要求するものであった。この段階のイギリスは、自由市場の拡大が主要な目的であり、次の19世紀後半からのディズレーリ以降の帝国主義的外交と区別されるが、その手段はアヘン戦争やインド支配に見られるように抵抗があれば武力を行使する点で同じ性格のものであった。イギリス国内の選挙法改正や労働者保護法の制定など、自由主義社会の枠組みが形成られる一方で、武力に訴える植民地政策をとっていたことを忘れてはいけない。また日本の開国の時期がイギリスではパーマーストン外交の時期に当たっていることも注目する。

パーマーストン外交

 パーマーストン外交と言われた、19世紀中葉のイギリス外交の主要な事項には次のようなものがある。
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