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民族解放戦線/FLN

アルジェリア人のフランスからの独立をめざす、民族運動の組織。1962年に独立を達成、政権政党として権力を乱用し、1990年代にイスラーム原理主義勢力との激しい内乱となる。

 略称はフランス語でFLN Front de Libération Nationale 1948年に結成されたアルジェリアの独立運動を目指す組織で、ベン=ベラの指導者としていた。次第にアルジェリア独立をめざす民族派を広く糾合し、1954年11月1日に対フランス独立武装闘争を開始し、アルジェリア戦争を戦った。

アルジェリア独立を獲得

 1962年にフランスのド=ゴール大統領との間でエヴィアン協定が締結され、アルジェリアの独立を勝ち取った。1962年7月3日に独立を宣言したアルジェリア民主人民共和国は社会主義体制をとり、一党独裁体制を続けたが次第に党員の特権階級化や腐敗が起こって非難されるようになり、国民の支持を失い、92年以降はイスラーム原理主義を掲げるイスラーム救国戦線との間で内乱状態となった。

長期政権による民主化抑圧

 内戦を収束させた後、1999年にFLNのブーテフリカが大統領に当選し、内戦で荒廃した国土の再建、国際政治への復帰を進めたが、今度はブーテフリカ自身が憲法を改正して大統領任期を延長して長期政権を続けた。ブーテフリカ政権は2011年に隣国チュニジア(ジャスミン革命)で始まったアラブ世界の民主化(「アラブの春」)の動きを警戒し、なおも言論弾圧を強めた。2013年、ブーテフリカは脳卒中で倒れ、2019年までその地位にあったが、ようやく辞任、大統領選挙で新大統領が選出されたが、やはりFNL所属であるので体制は変わっていない。
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