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バティスタ

キューバにおいて、1930年代から戦後の50年代まで、アメリカに従属しながら独裁政治を行い、カストロによって1959年に倒され、キューバを離れた。

 20世紀前半のキューバの独裁政治家。軍人の出身で、1933年に反乱を起こし、マチャド政権を倒してグラウ政権の樹立に功績をたてた。グラウ政権が反米姿勢をとるとアメリカの援助を受けたバティスタが政権を奪取した。アメリカはバティスタ政権を維持するため、プラット条項の撤廃を認めた。

親米独裁政治の腐敗

 バティスタはアメリカの支援によって国家警察隊を掌握、実権をふるい、1940~44年の間大統領を務め、退任後にも傀儡政権を作って隠然たる力を維持した。第二次世界大戦後の1952年にはクーデターで大統領に復帰し独裁的な権力を握った。しかし、アメリカ資本と結びついた政権は腐敗し、サトウキビなどのプランテーションにおける農民生活は貧困に苦しんでいた。
カストロの蜂起によって倒される  1954年、カストロらが反バティスタの軍事行動に決起すると、軍を動員して弾圧にあたった。しかし、捕らえられたカストロが裁判を通じてバティスタの圧制を訴え、国民の支持はカストロに集まり、カストロを釈放せざるを得なかった。国外に逃れたカストロが再び武装蜂起を準備、1956年にキューバに上陸して内戦状態となると、バティスタ政権側は次第に追い詰められ、1961年5月1日、バティスタは首都ハバナを脱出、家族と側近を連れて飛行機でドミニカに逃れた。こうしてカストロの指導によるキューバ革命が始まる。

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