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ヴァイツゼッカー

1984年から西ドイツ、1990年から統一ドイツの大統領を務めた。ドイツの過去を直視した演説を行ったことで知られる。

ヴァイツゼッカー
ドイツ連邦議会で演説するヴァイツゼッカー大統領
 統一ドイツの前後にわたり、現在のドイツ連邦共和国の大統領(在任1984~94)をつとめたキリスト教民主同盟の政治家。プロテスタント信仰を基礎とした穏健な保守主義者であった。
 1985年5月8日、ドイツ敗戦40周年演説「荒野の40年」の一節で、
過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。・・・」
とのべたことが大きな反響を呼んだ。ヴァイツゼッカーはヒトラーによるユダヤ人虐殺などをドイツ自らの過去として直視し、その事実からドイツの真の反省を表明した。そして、演説の最後には、
「ヒトラーはいつも、偏見と憎悪ををかきたてることに腐心しておりました。若い人たちにお願いしたい。他の人々に対する敵意や憎悪に駆り立てられることのないようにしていただきたい。・・・」
と述べている。<永井清彦編訳『ヴァイツゼッカー演説集』1995 岩波書店 p.10,27>