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シュレーダー

1998~2005年のドイツ首相。社会民主党を率い、統一後のドイツ社会の安定に尽くした。

 現在のドイツ連邦共和国社会民主党を率いた政治家。1998年の総選挙でコールキリスト教民主同盟に勝ち、社会民主党と緑の党からなる連立政権をつくった。ブラント~シュミット政権以来の社会民主党を主体とする政権の復活だった。
 シュレーダーはコール時代の急激な東ドイツ社会の吸収から起こった格差の拡大、失業、社会保障の減少、などのひずみをただすべく、税制改革、年金改革などの社会改革に当たった。また、原子力発電所の全廃など思い切った環境、エネルギー政策を打ち出した。
 外交問題では1999年のNATOのコソヴォ問題介入に直面し、NATOに加わったドイツ空軍のコソヴォ空爆に踏み切り、反戦平和を標榜する緑の党はそれを支持して政権に止まったため、支持者を失った。2003年のアメリカのイラク戦争に際しては、フランスのシラク大統領と共に一貫して反対し、軍隊を送らなかった。
 シュレーダー連立内閣は内外の困難な課題の解決にあたったが、2期目は失業率上昇、景気低迷などから支持率が下がり、総選挙を1年前倒しで実施したが、キリスト教民主同盟(保守派)のメルケルに僅差で敗れ、2005年に退陣した。
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