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イスマーイール1世

サファヴィー教団の指導者で1501年に自立してサファヴィー朝をひらいた。

 イラン西部のアゼルバイジャン地方に起こった神秘主義教団サファヴィー教団の長となり、トルコ系遊牧民(トルクメン人)を軍事力に組織(キジルバシュ)して有力となった。1501年イラン人の国家であるサファヴィー朝を興し、イラン人の王を意味するシャーの称号を用いた。ティムール朝の衰退に乗じ、そのイランを中心とした西アジアの版図を引き継いだ。
 彼はシーア派の一派の十二イマーム派を国教として同派の聖職者(ウラマー)をイスラーム各地から招き、「神隠れイマームの代理」としての宗教的権威をつくりあげた。
 また西トルキスタンのスンナ派国家シャイバニ朝(ウズベク人が建国)と争ってシャイバニを戦死させ、やはりスンナ派の西隣のオスマン帝国とも争い、キジルバシュの軍事力を用いて領土を拡大したが、1514年チャルディランの戦いではセリム1世に敗れ、西アジア全土の支配はならなかった。
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