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ヴィルヘルム1世

ドイツ帝国の初代皇帝。普仏戦争の勝利により1871年、ヴェルサイユ宮殿で戴冠式を挙行した。宰相ビスマルクに政治を委ね、1888年に死去した。

 ドイツ帝国の初代の皇帝。ホーエンツォレルン家のプロイセン国王であったが普仏戦争での勝利の結果、1871年1月18日、占領したヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」で、ヴィルヘルム1世のドイツ皇帝戴冠式を挙行した。ブルボン王朝ルイ14世の栄華の象徴であるヴェルサイユ宮殿でドイツ帝国の戴冠式を挙行することで、ナポレオン1世によってベルリンが蹂躙されたことへの報復となった。もっとも、ビスマルクのお膳立てでドイツ皇帝となったヴィルヘルム1世は、プロイセン王であることにこだわり、ドイツの皇帝となることに不本意であり、号泣したという。

Episode 一年に皇帝が二人死ぬ

 ドイツ皇帝としては宰相ビスマルクに全幅の信頼を寄せ、政治外交を一任していたが1888年、91歳で死去し子供のフリードリヒ3世が即位したが在位わずか99日で喉頭ガンで死去、その子ヴィルヘルム2世1888年6月15日29歳で即位した。この1888年は明治21年にあたり、森鴎外がベルリンに留学していた。その時のベルリン(伯林)を舞台にした推理小説が海渡英佑の『伯林一八八八年』で、1967年の第一回江戸川乱歩賞を受賞した。

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書籍案内

海渡英佑
『伯林一八八八年』
1967 講談社ロマンブックス