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四カ国条約

1921年、ワシントン会議で成立した太平洋地域に関する日本・アメリカ・イギリス・フランス4国間の条約。太平洋地域の現状維持と、日英同盟の破棄を決めた。アメリカ主導の国際協調の成果とされたが、日本の進出は抑えられることとなった。

 1921年12月、ワシントン会議によって成立した、太平洋の島嶼に関する条約。日本・イギリス・アメリカ・フランスの4国が調印した。

アメリカの要求

 第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約では、太平洋のいわゆる南洋諸島(マリアナ諸島、カロリング諸島、パラオ諸島、マーシャル諸島など赤道以北の島々)は、日本の委任統治とされたが、それは日本の直接統治にアメリカが反対したからであった。太平洋にアメリカが進出していくと、日本との衝突が予想され、その際にはイギリスと日本が同盟関係にあることはアメリカにとって警戒しなければならなくなる。そのため、日本の海軍の軍拡をおさえるとともに、太平洋地域で衝突する場合に備える必要から、アメリカが日・米・英・仏間の現状維持と日英同盟破棄を強く迫った。

日英同盟の破棄

 そこで、太平洋上の各国の植民地・委任統治など諸領地に関しては現状維持とし、紛争があった場合は共同会議で調整するなどを規定し、同時に第4条で日英同盟の終了を宣言した。 → 日英同盟の破棄
 ワシントン会議では他に、海軍主力艦に関する海軍軍備制限条約と、中国に関する九カ国条約が締結され、アメリカ合衆国主導の国際協調外交の成果とされた。 → アメリカの外交政策

アメリカの狙い

 第一に、アメリカの主導によって、日本の太平洋方面、特にフィリピンへの侵出をさせないこと、第二に日英同盟を破棄させることであった。第一次世界大戦後のパリ講和会議で日本が南太平洋の赤道以北のドイツ領諸島を委任統治とすることが認められたことは、ハワイとフィリピンの間に日本が割り込む形となり、アメリカにとって脅威と感じられたのである。
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