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イブン=バットゥータ

モロッコ生まれのイスラーム教徒の旅行家。1325年から1354年まで、北アフリカ、西アジア、南ロシア、中央アジア、インドを巡って中国に到達し、さらにスペイン、西アフリカに至る大旅行を行った。その旅行記『三大陸周遊記』は14世紀の世界を伝える貴重な資料となっている。

 1304年、マリーン朝の時代のモロッコのタンジールで、アラビア化したベルベル人として生まれる。1325年、22歳の時、イスラームの聖地メッカの巡礼を志して故郷を出、アフリカから西アジア、南ロシア、バルカン半島、中央アジア、インドをめぐり、さらにスマトラを経て中国まで脚を伸ばすという大旅行を行った。途中、1333年からインドのデリートゥグルク朝時代に滞在し、貴重な記録を残した。中国ではの末期に当たり、泉州に上陸、北京(大都)にまで行ったと伝えられる。
 1349年、46歳でいったんモロッコに戻ったが、さらにその後もスペイン、西アフリカのマリ王国を訪ねている。その旅行記が『三大陸周遊記』である。<前島信次訳『三大陸周遊記』角川文庫/家島彦一『イブン=バットゥータの世界大旅行』平凡社新書>
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家島彦一
『イブン=バットゥータの世界大旅行』
2022 平凡社ライブラリー